2008年4月8日火曜日

今日、大手種苗メーカー様から鉢植えシクラメンのメリクロン苗が試作依頼として送られてきました。



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左側がメリクロン苗、右側が私共の実生繁殖苗。メリクロン苗を作るメリットとして「親と親と同じ物を作る」つまりシクラメンでもビクトリアといったような二色咲き系品種は実生繁殖の場合親と同じ物が出来にくく、どうしても規格外になったり、そろって出来なかったりと問題が多かったのですが、メリクロンですと親と同じ物が出来るのでこの問題はなくなります。それ以外のメリットとしてウィルスフリー株を作ることができます。(植物は植物ウィルスに犯されることが多く、感染すると成長が悪くなったり、花や葉っぱにかすり状の斑が入ったりして奇形になったりして生産性が著しく低下します。)



メリクロン(植物の成長点を取り出し試験管の中で培養し、さらにホルモンを加えることによって細胞分裂を起こさせてコピーをたくさん作ります。)



実生繁殖(ごく普通の、タネを播いて育てるやり方です。)



よく観察して見ると



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球根頂部の芽点が異常に多いことに気づきます。



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左がメリクロン苗。右が実生苗。メリクロン苗は球根が丸くはなく、異常に凸凹としてそれぞれの凸の部分から芽点が形成されています。



実生苗の芽点(主芽)は現在は一つで、本葉5~6枚展開後から以後の葉柄の付け根に副芽として新たな芽点が形成され始めます。(葉数が多い株が花がたくさん咲くのはこの理由から)



このメリクロン苗はこの後どんな展開を見せてくれるでしょうか?チョッと不気味。



一方、上記の実生交配苗と同じ時期に播種(種まき)した原種のコウムは というと。



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タネを播いてから間もなく6ヶ月、まだ葉っぱが一枚(子葉)だけでこれまたのんびりした状態です。園芸種の苗は今年の11月~12月には開花して(つまり播種してから10~13ヶ月で)出荷出来るのに、原種のコウムは来年、再来年と開花するまで丸3年を要します。それでもサイズは園芸種の十分の一程度、なんとのんびりしたことか。でもこんな原種に最近何故か心惹かれるんですよね。



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